<マイケル・ゴンザレス>
マイケル・ゴンザレスは1953年10月14日イーストLA生まれのシンガー・ソングラ イター。同じイーストLA出身のロス・ロボスを例に出すまでもなく、ラティーノ系 ならではの血が音楽の中でも熱く燃えたぎっているのでは、 と想像しがちだが、このマイケル・ゴンザレスに関しては、知的なジェントルマン と評するのがピッタリ。 音楽面でも、トラディショナルな物からからアル・ジャロウのようなシンガーまで ジャズ全般に一番大きな影響を受けたと語り、自らを「ヴォーカル・スタイルはブ ラック・シンガー、実際はラティーノ、そして その音楽性はジャズ。そんなゴスペル・アーティスト」と評している。  ゴスペル・アーティストでは御大アンドレ・クラウチを尊敬する、このマイケル ・ゴンザレス。もちろん 最初のうちは教会で歌っていたが、やがて、自らのオリジナル楽曲に力を入れるよ うになる。そして、1970 年代中盤、ゴスペル・グループ:グッド・ニュースに出会い大きな衝撃を受けた彼 は、「彼らなら自分の やりたいジャズとゴスペルのポップな融合を具現化してくれるのでは?」と思うよ うになり、そのグループの音楽的リーダー:デヴィッド・ディッグスに直接アプロ ーチ。マイケルが持っていったデモ・テープは ディッグスの心をしっかりと捉え、直ぐに、プロデュースの依頼も承諾。そうして 、1980年に初のアルバム 「Fire In My Soul」をInstant Joy Recordsからリリース。その後も再びデヴィッ ド・ディッグスを迎え、 「Mountaintop」を83年にリリース。こちらはMinistry Resource Centerから発売さ れていた。  参加メンバーは下記をご覧頂きたいが、1stではケニー・ワイルド、バド・ニュア ネスを初めとした、 シーウィンド一派が中心。また、2ndでは、ジョン・パティトゥッチ、ジョン・フ ォラーロといった強力 リズム隊に、ビル・チャンプリン、ロビー・デューク他、AORファン注目のシンガー がバック・ヴォーカル に参加している。また、2枚のアルバム両方でビル・チャンプリンの曲を取り上げ る(1曲はカヴァー、1曲 は未発表曲)など、全体的に、ビルの持つブルー・アイド・ソウル的な部分とダブ るところも少なくない。  マイケル・ゴンザレス本人も吃驚する、まさかまさかの世界初CD化。AORの隠れ た名盤が、今、クール・サウンドの手によって、日本のファンのお披露目される。