<ジェイ・グレイドン>
 1949年10月8日、LAの生まれ。父親のジョー・グレイドンは1940年代〜50年代に活躍したシンガーで、ジェイはわずか2歳にして父親のTVショーに出演。『ビ・バップが好きなんだ!』と発言している。14歳からギターを始め、1960年代終盤からプロのミュージシャンとしてジャズ、そしてポップのセッションをこなす。
 1973年頃からデヴィッド・フォスターと一緒にプレイするようになり覆面軍団的なディスコ系ユニット、ザ・ボトム・ライン「Crazy Dancin'」、ペガサス「Pegasus」、ミッドナイト・フライヤー「Makin' Tracks」を立て続けに発表。また、マイケル・オマーティアンを中心とする、これまたスタジオ・セッション・ユニット:リズム・ヘリテッジのメンバーとしても1977年の2nd「Last Night On Earth」、78年の3rd「Sky's The Limit」、79年の4th「Disco Darby」でプレイしている。
 セッション・ギタリストとして参加したレコードは星の数ほどあるが(本人もその8割は覚えていない模様)、その名声が広く知れ渡ったのはスティーリー・ダンの名作「Aja」(1977年)に収録された<Peg>で素晴らしいソロを披露してから。リー・トナー、トム・スコット他、超一流のソロイストがアドリブを試みるも、どれもフェイゲン&ベッカーの心を満たすものではなく、その最後の砦とも言うべき7人目のチャレンジャー:ジェイ・グレイドンが実に奇抜なソロを披露し、これがLAのスタジオ・シーンに大きく広まっていった。

 1979年からプロデュース業も行うようになり、マンハッタン・ トランスファー、アル・ジャロウ、ジョージ・ベンソン、デバージ…数々のヒット・レコードを生み出し、プロデューサー、アレンジャー、ソングライター、エンジニアと全ての部門でグラミー賞にノミネートされている。

 アーティスト活動としては1980年にデヴィッド・フォスターとのユニット:エアプレイで「Airplay」(1980年)を発表。アルバムは後にも先にもこの1枚で終わってしまったが、もう1曲、1985年の映画「St.Elmo's Fire」のサントラでもエアプレイ名義によるトラックが発表されている。

 その後、91年にグレン・バラード&クリフ・マグネスと組んだプラネット3で1枚、ポップ・ロックなアルバムを発表。続く1993年に本作「Airplay For The Planet」をリリースし、翌1994年1月にはジェイ・グレイドン・バンドとしての日本公演も行う。同じ年の4月にはデヴィッド・フォスターをフィーチャーした「JT Super Producers '94」に出演し、エアプレイのナンバーをライヴで披露。また、96年にも自己のバンドでの来日公演を行い、同年、レイク&ザ・サーフトーンズ名義によるサーフ・ギター・アルバム「Surfers Drive Woodies」を発表。ファンを驚かせる。
 その驚きは昨年発表したジャズ・ギター・アルバム発表でさらに大きいものに。自らのレーベル:Sonic Thrustから発表した「Bebop」がそれであり、そこでは、デイヴ・ウエックル(ds)、ブランダン・フィールズ(sax)、ビル・キャントス(key)他の名手達と共に、完璧な4ビート・ジャズをプレイしている。

 そして、それに続く、Sonic Thrustの第2弾となったのが今回の「Airplay For The Planet」リニューアル・エディション。ここ数年、非常にマイ・ペースな活動をしていた彼だが、今年は、さらに未発表音源を集めたアルバム、また、各レコード会社との交渉が上手く進めば「Jay Graydon Produce Works」のようなコンピレーション・アルバムも発表したいとのこと。

 2002年のジェイ・グレイドンにさらなる注目を!

 細かなプロフィール等はwww.jaygraydon.comをご覧下さい。