<6月16日(水)>
「今日の出来事」
● 今日から1週間の西海岸出張がスタートです。前回のハワイ出張同様、呑み食べ&中古CD漁りを中心に楽しく綴ってみたいと思います。
 さて、毎回毎回、出張の前後は仕事のしわ寄せ系で超〜バタバタするのですが、今回は、そのピークが出発3日前の日曜〜月曜に訪れたため、前日の15日(火)等は、余裕をかまして昼間は約2時間半、スポーツ・クラブで汗を流したほどでした。が、しかし、バット、いい汗かいて帰宅した後、吉田の鐘ちゃんに電話を入れると、何の前触れもなくデヴィッド・ガーフィールドからCreatchyレーベルの新作、ポテト・サラダの「Potato Salad」が入荷した、と言うではないですか。確かに、もう数ヶ月前に輸入盤購入のペイメントは済ませていますし、そう言われてみたら6月には盤が上がる、と言われていた気もします。が、ジョージ・ベンソンのツアーで世界中を回っているガーフィールドさんたら、忙しさに任せて、私にその報告をするのを忘れてしまったようです。エニウェイ、折角、盤が来たのに、それを1週間も2週間も放置しておくのは勿体ない!と、早速、国内盤仕様に向けた帯原稿を考え、しかも、このタイミングだと7月25日リリースが美しいので、そうすると、ディストリビューターさん&音楽専門誌のレヴュー用に簡単なインフォメーション・シートを作らなくてはならない....と、速攻で作業! とまあ、そんなわけで、本当は昨日の夕方にやろうと思っていたCool Usenの選曲も夜中になってしまい、またまた出発前の睡眠時間は約4時間。本当は熟睡するはずだったんですがね....
 なんだかんだ言っても、空港のチェック・インは余裕で間に合い、いつものノース・ウエストでまずはサン・フランシスコへ。あれあれ、(前回の訪問から)7ヶ月でまた新しくなったみたいですね、空港。入国審査も非常にスムースでグッドでした。そして例によってレンタカーで街へ。時計を見てもまだCDショップは開いてなさそうな微妙な時なのでまずはブレックファストをば。メインのチャイナタウンとは別の、リッチモンド地区にあるチャイナタウンでワンタンメンを食しました(あ、お店の名前をチェックするの忘れました..なんたって、右も左も中国系のお店が並んでいるので....)。例によって細くて黄色い香港系の麺なのですが、多くのお店がパサパサ気味なのと較べてここのは非常に滑らかもちもち。これはグッドです。オマケにワンタンも大ぶりな中に挽き肉と海老の両方がぎっしり詰まっていて実に食べ応えバッチリ! それでお値段$4ちょい(税・チップ込み)は実にリーゾナブル。思わず笑顔の私です。
 そして、早くもCDショップめぐりをスタート。まずは、ヘイトにあるAmoeba Musicへ。サン・フランシスコ最大のお店だけに全編を見ていたら3〜4時間は平気で経ってしまいます。着いたばかりでそれもハードなので、ここではスムース・ジャズ限定でチェック。特に掘り出し物、というのもなかったですが、買っていなかったHiroshima「The Bridge」、Dominic Miller「Shapes」、Keiko Matsui「White Owl」(ボーナスDVD付き)、Bobby Lyle「Straight & Smooth」、Roger Smith「Just Enough」、Down To The Bone「Cellar Funk」、Joyce Cooling「This Girl's Got To Play」他を安価(だいたい$5.99〜$7.99)でゲット。さらに、The Braxton Brothers「Steppin' Out」、George Howard「There's A Riot Goin' On」、T.S.Monk「Higher Ground」、Flim & The BB's「Vintage BB's」、Grover Washington,Jr.「The Essentials」(best)等、手当たり次第に買い物篭へ。今回は、すでに持っている作品をダブって買わないように、リストを打ち込んだパソコン持参で臨みました。ちょい重いですが、その分、リキ入ります(笑)。なにより、悪い癖のダブって購入、というのが避けられるのが最高です!
 お店を出ると時刻はもう1時を回っていましたが、まだホテルを探すには早い時間、チェック・イン的に。と言うことで、続いてはベイ・エリアの対岸、バークレイまで車を飛ばし、ここでもAmoeba Musicからチェック開始。ヘイト地区ほど収穫はないものの、Warner Jazz Franceが組んだデヴィッド・サンボーンのベスト、紙ジャケ仕様(2000年リリース)。そして同じく紙ジャケだったのでDee Dee Bridgewater「Bad For Me」も$8.99で購入。それから、昨年ボーナス・トラック入りでリイシューされたYellowjacketsの1st、「Yellowjackets」ももちろん買い物篭へ。4曲のボートラは何れもデモですが、ファンとしては気になるところ。それから、またまたスムース・ジャズ系ですが、MoJazz時代の数作や1998年の作品「Decisions」(Atlantic)が非常に気に入っているベーシスト、Wayman Tisdaleの2001年作品「Face To Face」が$4.99だったので即買い。早速部屋で聴きましたが、シャレたアーバン感覚が今回もニッコリ、という出来でした。ゲストにCCMの黒人3人組、Out Of Edenが参加。他にもお馴染みの<Can't Hide Love>をカヴァーしていたり(アレンジとプロデュースはDavid Mann)、完璧にツボを衝かれた感じです。あとは、持っていなかった(と思われる)Bobby Lyle「The Power Of Touch」(1997年)も大好きなWill Downingがゲストで渋く<Feel Like Making Love>をキメていたり、買って好かった、と言える内容でした。それから、スティーリー・ダンのレコード他、数々の名演でリスペクトを集めるドラマー:Bernard Purdieの「Master Drummers Vol.2」も買いました。1996年にUbiquity Recordingsというところから出たものですが、Vol.1も直ぐに見つけないといけませんね。勉強不足でした。
 どうしてもスムース・ジャズ系が多くなってしまいますが、それ以外ですと、最近、自分の中で再評価しだしているDan Fogelbergのオリジナル・アルバムも「Innocent Age」(1981年)、「Captured Angel」(1975年)と2枚を購入。今まではベスト盤があって、それこそ<Longer>だ何だ、をラジオで選曲していればそれで好かったのですが、少しオリジナル・アルバムにも注意を払ってみようかしら、となっている次第です。でも「The Innocent Age」は2枚組だから全部聴くの結構ハードですけれど....
 続いて、同じくバークレーにあるCD店、Rasputin Musicを覗きましたが、ここはそれほどチェック物はなかったです。が、B1Fにあるジャズのバーゲン品$3.95コーナーには気になったものが幾つか。例えば、Solar Wind feat.Sean Masonの「Grand Tour Alignment」。前にもこのユニットの作品(青いやつ)を買った記憶がありますが、今作にもフランク・ギャンバレ、エリック・マリエンサル、ゲイリー・ノヴァック他がゲストで参加。ドラマ性豊かなクロスオーヴァーを展開しています。そして、なんとも興味深かったのが、セッション・ギタリストとして有名なティム・メイのリーダー作「One Piece Of The Big Picture」。Miramarから1999年にリリースされたこのアルバムは、カヴァーにフル・アコのギターが写っているように4ビート感覚でも聴けるスムース・フュージョン、といった感じでしょうかね。スティーリー・ダン風の曲あり、オクターヴ奏法でメロディックに歌うバラードあり、さすが、あらゆるジャンルを経験してきたヴェテラン健在!そんな作品です。バックにはハーヴィー・メイスン、エイヴ・ラボリエル、アーニー・ワッツ他の名手が参加。
 その後、ホテルにチェック・イン。前回来た時にたまたま入ったFrancisco Bay Innがとても好印象だったので今回もここにしたのですが、サマー・シーズンだったからか$75 + taxという普通のお値段でした。面白かったのは前回泊まった時と全く同じ部屋!なのに、前回ツイン・ベッドだったのがダブル・ベッドに変わっていたこと。いや、別にだからどうした、というわけでもないですが..(笑)。そして、一息入れてからいつものフィッシャーマンズ・ワーフで食事。今回はNo.9 Fishermen's Grottoという所に入ったのですが、例によってクラムチャウダーは絶品ながら、ステーキ&ロブスターがやっぱり超外し(涙)。お隣の人気店Alioto'sで食した時もそうでしたが、クラムチャウダーは本当に美味しいのに、ステーキ系は全くダメ! 私がハマっている漫画「きららの仕事」の第1回目ではないですが、「魚が泣いてます」って感じです、素材は好いのに全然美味しく料理できない....という事実。それからしたらハワイでもお馴染みのRuth's Chris Steakhouseは本当に画期的です、アメリカ人にしたら。

<6月17日(木)>
「今日の出来事」
● 今回も慌ただしい旅になっておりまして、SFとはたった1泊でさようなら! しかも、朝8時半くらいのフライト(LA行き)なので6時過ぎにはチェック・アウトというかなりハードなスケジュール。ま、でも、例によっての時差ボケで3時には目が覚めてしまったので、この日記を書いたり買ってきたCDの整理をしていたらちょうど時間になった、という具合でした。予定通りですね、はい。で、朝から他人様のお世話になり、旅で出会った人の有り難味を感じずにはいられない1日でした。って、ちょいと大袈裟ですが....実は、朝、ホテルをチェック・アウトしようと思ったら私のレンタ・カーのそばに1台置かれていて、これが非常に出辛い状況でした。朝の6時過ぎなので持ち主を探して移動してちょ、とも言えない。すると、私の車の横で朝からタバコを吸っている夫婦がいて、誘導をびしっとキメてくれたのです。普通、この時間にいないですよ、そういう人。なんか、神様のお陰かな、等と思ってしまいました。しかも、普通だったら小さいほうから二番目のコンパクト、というタイプの車を借りるのですが、今回はなんとなく一番小さいエコノミー・タイプにしたんです。これ、車の大きさがひと回り違うだけで車出すの、かなり違いますからね。助かりました、ホント。
 空港のチケット・カウンターに行くと「満席だから3人掛けの真ん中しないけれど好いわね?」と言われ、さらに「$50追加してくれたらファースト・クラスにアップ・グレード出来るけれど」という言葉につられて結局アップ・グレードしてもらっちゃいました。フライト自体は1時間くらいの短いものですが、なんたって狭い所大嫌いの中田なので、$50は非常に安いものです。が、しかし、隣に座った、いかにもアメリカのやり手ビジネスマン風(でも、勘違い人間の典型的タイプ)の奴、席に着いても飛行機のドアが閉まるまでず〜〜っと携帯で外部と話ししているは、LAに着いてもまだ滑走路を走っている時から携帯掛けまくりで、隣にいる私は非常に不愉快でした。もちろん、露骨に嫌そうな顔を差し出した(笑)のですが、神経図太いその男、私のボヤキなど気にせず次から次に携帯掛けまくり。まいっちゃいますね。サービスで置いてあったペット・ボトルのミネラル・ウォーター、私の分まで飲みやがるし(怒&笑)。
 ま、そんなことを引きずっていると折角のカリフォルニア・デイズが台無しなので、ここいらで気を取り直して、と思うのですが、ナント、LAはどんより曇り空! SFは全然OKだったのに、LAがこれですか?!?!?! なんかまたブルー入っちゃいます。が、しかし、レンタカーを借りて街を走り出す頃には天気も徐々に回復し、午後にはいつものLA日和。やはりこうでなくっちゃね。そうそう、そのレンタカーなのですが、これまたいつものアラモ・レンタカーを予約したのですが、なんと、ナションル・レンタカーと合併してました、営業所が。ふ〜〜ん、そうなんだ、って感じだけですが、でも、驚きました。それはともかく、そこからまずはソングライターとして大成功しているスティーヴ・ドーフさんの携帯に電話を入れ午後2時に彼の家を訪問することが決定。さ、仕事仕事!
 が、しかし、もちろんまだ2時間以上時間があるのでまずはブランチから。でもって、いきなり行きつけのラーメン店に足を運ぶ私です。まずはSan Diego Freeway405に入り、その後、Ventura Freeway101をResedaまで行きます。そしてそのResedaを真っ直ぐ北に行くこと約5分。右手に見えるYoshinoyaを過ぎて1〜2ブロック行った右手にあるRamen Nipponが、私の本拠地(笑)です。ここのラーメンはストレートな醤油で、独特の出汁が効いています。塩も味噌もありますが、私はたいてい醤油で、それに半カレーを追加するのが、いつものパターン。ここのカレーがまさに日本の味で、ホント、ホッとさせられます。で、速攻で食べた後は食後の運動!とばかりにLAで最初のレコード・ハント。ラーメン店からそんなに遠くない、Ventura Blvd.そいにあるCD Traderに足を運び、まずは、ジャズ系からチェック。いきなりEuge Grooveの新作「Livin' Large」は出てくるは、Pieces Of A Dreamの新譜「No Assembly Required」とバラード・コンピ「Sensual Embrace 2 : More Soul Ballads」は出てくるわ、Lorraine Feather「Such Sweet Thunder」は出てくるわ、といった感じです。しかも、値段は安め。加えて、ここでは1枚につき1個スタンプを押してくれて、10個貯まれば1枚ただ、という嬉しい特典もあるんです。調子に乗った私は、Gilberto Gil「Nightingale」(1979年、センベロ、リトナー、セル・メン他多数参加)の紙ジャケ未開封、Grover Washington,Jr.「Paradise」紙ジャケ未開封も躊躇いなく購入。さらに、ブライアン・ブロンバーグが全編プロデュースしたTurning Point「A Thousand Stories」も試しに、と買ってみました(メロディアスで結構好かったです)。あとは、スティール・ドラム奏者、Andy Narellの最新作「The Passage」も紙ジャケ未開封で購入。なかなかの滑り出しを見せた感じがいたします。
 で、スティーヴ・ドーフさん宅へ。これが吃驚! 何が吃驚って、101 Freewayを降りてホンの30秒の所なのに、関係者(住居者&住居者の認めた方)以外、入ることが出来ない、陸の孤島?だったんです。Hidden Hillsという、まさに、突然の丘でして、ゲートがあり、そこに管理人が居て、用件を述べなければならない、という、こんなん初めて!な場所でした(後で聞くところによると、結構こういうところ、あるそうです)。で、困ったな....と思いつつ、ここの中にお住まいのスティーヴ・ドーフさんという方の所にお伺いするアポを取っているのですが....と告げると、名前は何だ?と聞かれ、トシキ・ナカダと答えると、「ああ、トシか。OK、話しは聞いているよ」と。すんなりゲートがオープン。そこからさらに1〜2分、車を走らせ、スティーヴさん宅へ。直ぐに、スタジオに案内してくれたのですが、壁一面、ゴールド・ディスクだプラチナ・ディスクだ、が飾ってあり、彼の成功ぶりがモロに伝わってきます。話しをするのは初めてですが、非常に好い方で、私の意向は全て伝わり、条件面もばっちりOK! コンピ盤用に考えている曲を3曲頂戴することが可能になり、かつ、彼が昨年出した自主アルバム「You Set My Dreams To Music」も、内容に少し手を加え、日本向けに発売することがほぼ決まりました。これは美味しいです。ちなみに、スティーヴさんの名前を初めて聞く人も少なくないでしょうが、もともと、トニー・シュートさんと一緒にバンドを組んでいたりで、トニーさんの名作「Island Nights」を全編プロデュースしたのがこのスティーヴ・ドーフさんでした。それ以外にも、アン・マレー<I Just Fall In Love Again>からホィットニー・ヒューストン&ジャーメイン・ジャクソン<Take Good Care Of My Heart>、さらに、10月にリリースされるセリーヌ・ディオンの新作にも曲を提供(デヴィッド・フォスターと共同プロデュース)している、という30年近くに渡って一線で活躍している名コンポーザーです。なんでも、すでに、400曲くらいレコーディングされているとか。凄い! 人柄も素晴らしいし、今後も、深くお付き合いしていきたい1人です、はい。
 して、好感触を得た後は再びCD Traderへ。何故かと言うと、先ほどは小1時間しかなかったのでジャズだけで終わるだろうな、と最初から推測。ポップはまた帰りに寄れば好いや、と最初から考えていたのでした。で、ポップ系がまた拙い! 何が拙いのかと言いますと、「A」を見た時からAerosmith「Big Ones-Special Limited Edition 2CD」等というのが未開封で出てくるわ、Joe Jackson「Night And Day」も2枚組のDeluxe Editionが出てるわ、Fleetwood Mac「Say You Will」の2枚組スペシャル・エディションは出てくるわ、で、ついつい買ってしまう私。その他、Jimmy Spheeris「5 Songs Sampler」、Anita Baker「A Night Of Rapture」、Maze feat.Frankie Beverly「Live In Los Angeles」「Inspiration」....と調子に乗って買い、またまたアッという間に30枚近く、行ってしまいました。
 そして、ようやくホテルにチェック・イン。レコード店の関係でやっぱり今回もノース・ハリウッド地区が好いかな、となり、前回の訪問時、「え? クローズしちゃったの!?」と吃驚させられたVoyager Motor Innが結局やっていたので、そこに決めました。タックス込みでも$50ちょい。冷蔵庫が付いているのが何よりのポイントで、ビールだジュースだ水だフルーツだを、今回もフル活用したいと思います。そして、いろいろとうちのお手伝いをしてくださり、HPにもコラムを提供してくださるフォトグラファー:ジェフ・イトーさんに電話を掛け、一緒に食事をすることに。Ventura Freewayの奥、Tampaの出口を降りてVentura Blvd.をもう少し西に行った左側モールの中にある日本食屋さん「植花夢(ウエルカム)」に久々登場! マスターのジュンさんも相変わらずの元気な笑顔でこっちも幸せ気分になってきます。このお店、かつてはY沢E吉さんも、B.たけしさんも通っていたという味には絶対の自信を持つ処。寿司もかなり本格的で、でも、値段は全然リーズナブル。今は、一切予約を受けていないので、常連さんもまずは足を運んで混み具合と相談しながら、という感じです。私たちもこの日は、かなり待ちました。ま、でも、お店を出てくる頃にはそんなこと忘れてますけどね(笑)。LA初日から飛ばしすぎるのもなんなので、今日はこれくらいにして、ホテルに退散。まさにばたんきゅーな夜でした。

<6月18日(金)>
「今日の出来事」
● 今日も元気にCD屋さんへ(詳細は省略、ということで....)。

<6月19日(土)>
「今日の出来事」
● 今日は中田の数ある訪米の中でも超珍しい行動パターンとなってしまいました。と言うとこれまた大袈裟ですが、午後の2時半まで寝てしまいました、はい。夕べ寝たのが3時頃、というのも確かにありますが、8時くらいに目が覚めて、軽くヨーグルトを食した後、また軽寝をしたらこれが午後まで寝てしまった、というわけです。今日は完全にプライヴェート・オンリーなので問題はないのですが、レコード屋さんには行ける限り足を運ばなくては、の精神を持つ私は速攻でシャワーを浴びお出掛け体制。ま、何はなくとも食事をせねば、と入ったのは、ハンバーガー・ショップのイン・アンド・アウト・バーガー。数あるバーガー・ショップの中でも1番か2番にランクするであろうこの店のシャーマン・オークスにあるお店(Van Nuys Boulevard沿い)に入ったのですが、土曜日だったからか、3時4時でも完璧満員状態。しかも、ドライヴ・スルーの車もかなりの列。美味しさの証明、と言っても好いでしょう。とにかく作り置きをせずに注文のたびに焼く。しかも、従業員の作業が超スムースなので、待たされる、という感覚は皆無。これは流行るわけです。中田はダブル・バーガーにポテト、ドリンクのセットで税込み$5くらい。全然OKです。で、大きなバーガーにがぶりと噛りつきあっと言う間に食べ終えると、さ、待ってましたのCD漁り。今日は、そのバーガー屋さんから直ぐのシャーマン・オークス地区にあるsecondspin.comからスタートしました。
 例によってジャズからチェック。ここでの収穫を挙げておくと....WAVEステーションでさんざん掛かっているMichael Lingtonの新作「Stay With Me」が未開封中古で出てきてニッコリ。ヘヴィ・ローのナンバー<Show Me>はアルバムの1曲目で、作・プロデュースはブライアン・カルバートソンでした。相変わらず美味しい所を持っていく曲調です。それから、マイケル・センベロの作曲で、コーラスも彼が担当している<Apasionada>という曲も入っていました。その他にもチャック・ローブ、ポール・ブラウン、ポール・ジャクソンJr.、ウェンディ・モートンをそれぞれフィーチャーした曲もあり、非常にゴージャスな印象を受けました。レーベルはRendezvous Entertainmentというインディなのに制作費はしっかりゲットしてますね。ま、ある程度売れるから大丈夫なんでしょうがね。
 その他ではとにかく最近ハマっているGrover Washington,Jr.のモータウン時代のベスト、Billy Cobhamのベスト、Spyro Gyraの紙ジャケ2枚組ベスト「Retrospective」(GRP:1997)。写真類、英文ライナー超充実のCDは、なんでも5000枚限定の品だとか..。それから鬼才David Sanciousの1975年作品「Forest Of Feelings」。ビリー・コブハムがプロデュースを手掛けた、ジャズ・ロックなクロスオーヴァー作品です。さらにどんどん続きます。Joe Beckの1988年作品「Back To Beck」、Stan Getz「What The World Needs Now - Stan Getz Plays Bacharach & David」の紙ジャケ盤。そしてとどめは、これまた最近妙にハマっているスムース・スパニッシュなギタリスト:Marc Antoineの買いそびれていた1998年作品「Madrid」、といったところです。
 続いて、ありゃ〜こんなの出ていたんですね、全く持って勉強不足、シリーズ。June Kuramoto「Spirit and Soul」。ご存じ、Hiroshimaの琴奏者ですが、ソロ作も出していたんですね。2002年にJunku Music(すなわち自主レーベルですね)からリリース。1曲ヴォーカルがある以外はHiroshimaをさらに優しくしたようなインストが中心。女性的な優美なサウンドが堪能できます。癒されますよ。(ただ、ジャケットにもレーベルにも大きく“精神と魂”と書いてあるのにはちょっと退いてしまいますが..)
 続いてSteve Tavaglione「Silent Singing」。Creatchyからアルバムを出していたこともあり、カリズマの周辺で活躍している、といった印象が少なくないマルチ・サックス奏者です(元々はカルデラのメンバー)。去年だかもUnitoneから出たソロ作を中古で見つけて、「知らなかった....」と恥じた中田ですが、よく見たら今回のはそれと同じ盤のジャケ違い(今回ゲットしたのがオリジナル版)でした。プロデュースがトランペットのジェフ・ビールなんで、あら、また、と思ったのですが、それも当然でした。参加メンバーはジョン・ビーズリー、ゲイリー・ノヴァック、アレックス・アクーニャ、パット・レナード、デイヴ・カーペンター他。4ビートあり、ニュー・エイジあり、ワールド系あり、の、全然カリズマはしていない1枚です。
 それからもう1枚。Gap Mangione「The Big Band」。ご存じ、チャック・マジョーニの弟さん、ギャップがビッグ・バンドを展開したアルバムです。で、こういうのが存在したことに驚いたのではなく、裏面の細かなクレジットで、ほほ〜ん、と頷いた次第です。参加メンバーはスティーヴ・ガッド&ジョン・パティトゥッチという強力リズム隊にギャップのキーボード、そしてギター、ヴォーカル、ホーン隊、という感じなのですが、1曲だけ作曲、アレンジでTim Torranceというクレジットが載っていたんです。これが、あのスニーカーのギタリストなのかどうなのかが今なお謎ですが、とりあえず買っちゃえ、と。ちなみに、ティムがギター、あるいは、他の楽器をプレイしている形跡はありません、このアルバムには。ギターならまずそうだと確信し、他の楽器なら同名異人、と判断できるのですが、こういうのって一番辛いです。あ、アルバムは1997年にJosh Musicなるところから出たものです。
 続いて今度は、サンタ・モニカ・エリアに車を飛ばし、Record Surplusへ。ここは$1で買えるアナログ盤がかなり充実していることで有名ですが、流石にもう出尽くした、という状態で、それよりはCDコーナー他に時間を割く中田です。値段が安いのがなんと言っても嬉しくて、他店よりは$2〜3は安いです。ここで購入したのは、「Bernard Purdie's Soul To Jazz」、「The Best Of Najee」、Alphonse Mouzon「Love, Fantasy」、Freddie Ravel「Sol To Soul」(日本盤とはジャケ違い)、Gary LeMel「How Fast Forever Goes」、Nestor Torres「This Side Of Paradise」、Chieli Minucci「Night Grooves」他。そしてもう1枚、Artie Traumの「Letters From Joubee」というCDも買ったのですが、これが吃驚! 今となってはスムース・ジャズの代名詞ともなっているShanachieからのリリース(1993年)で、かつ、ロビー・デュプリーが1曲共作&プロデュースで参加していました。早速、部屋で聴いたのですが、非常にスムースで好い感じ。アーティー・トラウムはかつてRounderなんていうルーツ・ミュージック的なレーベルにも在籍していたギタリストですが、確かに当時からアーシーそのもの、といった人ではなかったから、こういうアルバムがあることも実は自然だったりするのですね。勉強になりました。ところで、このRecord Surplusにいる頃から変な兆候が現れてきました。何者かがこじ開けようとしたのか、お店の前に置いておいたレンタカーが突然のクラクション乱射! まさか自分の車だと思わなかったので外を覗いて吃驚。別に以上はなく、直ぐにクラクション解除で事なきを得ましたが、ホント、一体なんだったのでしょう?? そして、その後、9時も過ぎたのでメシでも、と思ってそこから程近い「やぶ」というお蕎麦+日本食のお店に行ったのですが、土曜の夜、ということもあり、満員状態。で、「ちょっとお待ちください」は好いのですが、2組が帰っても一向に私を席に案内する気配がない。帰った客のテーブルもなかなか片付けようとしない。従業員はたくさんいるのに、まるで無視されているかのよう。流石にカチンと来た中田は案内される前に店を出ました。味的にはまあまあな店なので、今宵はここで、なんて思ったのですが、あんな接客状況ではもう足を運びたくはないですね。値段も結構高いし。と言うことで、今日は大人しくテイク・アウト物を買い、部屋でゆっくりビールでも飲みながら、というコースを選択。で、何を買ったかと言うとこれが......はい、YoshinoyaのBeef Bowlです! いやあ、日本では牛丼を食べることって1年に1度あるかないかなのですが、LAに来ると必ず寄ってしまいます、Yoshinoya。味的には全然変わらないし、値段も全然高くないですし、マジでリピーターです。で、すでに10軒近いお店に行き、ここは美味しい、ここはたまねぎが多すぎる、など、いろいろな特徴も掴んでいます、今となっては(笑)。今日はSanta Monica Blvd.沿い、フリーウェイ405と交差する東側にあるお店に行きましたが、ここはかなり足を運ぶ、お気に入りのブランチです。クラムチャウダーも美味しくて、1人部屋食も全然淋しくなかったです。傲慢な「やぶ」で浪費するより、全然充実でした、はい。

<6月20日(日)>
「今日の出来事」
● 今日は6月の第3日曜日。日本では父の日として広く知られていますが、はい、アメリカでもやっぱり父の日でした。当たり前ですね(笑)。と言うわけで、レストランに行っても何処に行ってもFather's Day関連の文字でいっぱい。そう、父の日:特別メニューなんてものを掲げているラーメン屋さんもあったほどですから。ま、それはともかく、私も国際電話を一本入れました、自宅に。ちょうど、LAの午前2時過ぎ、日本時間の夕方6時過ぎに目が覚めていたので、これは電話するしかないな、と。なんたって、今日6月20日はお婆ちゃんの誕生日でもあるんです。今年で95歳。いやあ、全然ボケていないし、ホント、元気で何よりです。100歳も夢ではないですね、この調子で行けば。
 さて、昨日は午後3時くらいまで無駄に過ごしてしまった私ですが、今日はしっかり午前中から行動。まずは、LA最大のレコード店、Amoeba Musicへ。ここでジャズを中心に約2時間奮闘。50枚弱買い込んだと思いますが、かなり充実していた感じがします。その中から一部をご紹介いたしますと、まずは、Narada Jazzのコンピ盤「The Love Project」が美味しそうです。ジェフ・ローバー、デヴィッド・ベノワ、ラムゼイ・ルイス&ナンシー・ウィルソン、ピーター・ホワイト他によるポップ、R&Bの名曲カヴァー集なのですが、全12曲中8曲が新録、あるいは、未発表トラックという大奮発アルバム。2004年作品、つまり今年の1枚なので、今頃、日本でも輸入盤店に並んでいるかもしれませんね。黒人の男女がキスしているジャケットも非常に素敵で、中にもその2人のイチャイチャ・ショットが載っていて、これは、女性へのプレゼントにも好いかも..等と邪(よこしま)な考えを抱いてしまう私でした....。
 どんどん続けましょう。Boney James「Boney's Funky Christmas」。ボビ・コーがゲスト参加していることでも知られるこのアルバム、より明るい薄茶使いの別ジャケットが存在したのですね、知りませんでした。Nestor Torres「Sin Palabras(Without Words)」。先月のアドリブ誌:輸入盤レヴューにも載っていたフルート奏者の最新作。結局、今回はこの人のCD、3枚購入しました。そして、あらあら息子さんもソロ・アーティストだったんですね、と再認識させられたのがLeo Sidran「Bohemia」(2004年)。ギターを弾いてかなりワールドな世界を展開していてお父さんとはちょいと違う音楽性。はっきり言って私は苦手で、1〜2曲でCDプレイヤーをストップ。また別の機会に聴けば違った印象を得られるかもしれませんが....。お父様Ben Sidranも最新作「Kick's Bump」(2003年)を今回購入。現段階では未聴ですが、そんなに外れはない人ですよね。Gato Barbieri「Che Corazon」(1999年)もプロデュースが全編チャック・ローブということで即買い。しかも、1曲目はチャックが数年前かなり“拝借”していたモロのパット・メセニー節。しかし、ガトーおじ様のサックスが出てくるとしっかり本人のアルバムになっている所が凄い! マーヴィンの<I Want You>もカヴァーしていますが、これも、硬派なトーンで料理していました。さらに旧譜系で、「Avenue Blue featuring Jeff Golub」(1994年)をゲットし、多分、ジェフ・ゴラブ(ゴルブではなくゴラブです)のアルバムは全部揃ったと思います。さらに、The Braxton Brothersも今回見つけた「Now & Forever」で全部揃ったと思います。なんか地道に集めてます、中田。以前、ライナーを書いたこともあるDavid Becker Tribuneが今年アルバムを出していました。タイトルは「Where's Henning ?」。未聴ですが、曲目を見る限りスタンダード集ですね。それから<She's Gone>のニュー・ヴァージョンが収められているDaryl Hall「Can't Stop Dreaming」も嬉しい1枚でした。
 そして、嬉しいハプニングだったのがShakatak「Live At Ronnie Scott's Club」。収録は1997年と書かれていますが、リリースは2003年。内容は初期のヒット曲満載でもう嬉しいことこの上ないです。演奏もバッチリですし。結局、この日記を書きながら全編聴き入り浸ってしまいました、1980年代前半に(笑)。
 続いては、こんなの在ったんですか!勉強不足でしたシリーズ。Jeanie Bryson「Deja Blue」(2001年)。NYのライト・ジャズ系ヴォーカリストなのですが、1曲、Frank Weberという男性がヴォーカルで参加してるんです。NYだし、あのフランク・ウエバーと同一人物だとは思うのですが、バック・ヴォーカルよりは前に出ているものの、デュエットの一歩手前、という感じでイマイチ声がはっきり認識できません。そしてDerek Nakamoto「Fuyu」(1996年)。松居慶子さんの重要アレンジャ−であり、かつ、私の大好きなニッキー・ホランドからハワイのノヘラニ・シプリアーノまでいろいろなアーティストと共演しているLAのアーティストですが、こんなソロを出していたんですね。タイトルは「冬」のことなので、ひょっとしたら「春」「夏」「秋」も存在するのかも....ま、ただし、サウンド的にはニュー・エイジ系ですが。バックには松居和さん他が参加しています。そして、こんなん出てたんだシリーズの極めつけはBrooks Arthur「Songs Are Like Prayers」(1998年)。AORの名作、キャロル・ベイヤー・セイガー「Sometimes Late At Night」を手掛けた1人でもある超有名プロデューサー、ブルックス・アーサー。むか〜しもアルバムを出していたのは所有していますが、こんな最近も渋い歌モノ、出していたんですね。デヴィッド・ボウイからスタンリー・クラークまで幅広いアーティストをサポートしているマイク・ガーソンのピアノをバックにスタンダード、いや、古いゴスペル?を歌った、超シブな1枚です。最近、同じ系統とも言うべきヴェテラン・プロデューサー:スティーヴ・タイレルがスタンダードを歌って成功していますが、ブルックス先生のほうが早かったようですね。もっとも、ブレイクした、という話は聞いていませんが....。 そして、今回一番笑ったのが、Pee Wee & Michiko Project「Reach A Little Higher」。何故笑ったかって言いますと、まず、これは徳間さんから出ていた日本盤です、今回見つけたの。で、ライナーを書いたのが何を隠そう私、中田なのですが、何故か、この盤のサンプルをもらうことが出来ず、非常にきなっていた1枚なんです。それがLAでひょっこり。ま、主人公はLAの人たちですから全然自然なんですけどね。ちなみに、中田はもう1枚、ライナー書いたのにサンプル盤をもらえていない作品があります。古巣のキングの作品なんですがね....。
 そして本日最大の収穫はと言いますと、これです、Albert Hammondの非売品3枚組「The Many Sounds Of Albert Hammond」。いわゆる作家としての売り込み用サンプラーのようで、Disc-1が「The 50's, 60's, and 70's」、Disc-2が「The 80's and 90's」、そして、Disc-3が「Latin」、という風にそれぞれ分かれています。後で、鐘ちゃんから聞いたのですが、このDisc-3には、アルバートが作曲したラテン版ウィ・アー・ザ・ワールドも収録されていまして、それも貴重だとのこと。鐘ちゃんのお土産に1セット多めに買っておきました。
 その後、もう1軒、D.B.Cooperというお店でSisselの最新作「My Heart」他を購入。クラシカルな歌物ですが、リチャード・マークスが2曲、作・プロデュースを手掛けていました。あくまでもご参考に。
 そして、夕方からディナーのための移動開始。今日は、結局食事らしい食事を全くせずに6時を過ぎてしまったのでガツンと行きましょう、劇ウマ・ラーメンで。行きつけの一軒である新撰組は博多とんこつにアレンジを加えたお店でとにかく超賑わっています。今日なんか日曜日ということもあって、夜の部開店の6時過ぎから、お客さん、お客さん、またお客さん、という感じ。私は1人だったので直ぐにカウンターに座れましたが、あと10分遅かったら待ちでしたね。実際、私が食べ終わってお店を出る時なんぞ、10人くらいの人が外で列をなしていたほどですらからね。まさに「行列の出来るラーメン店 in LA」の代表格です。場所は on Redondo Beach で、Westernとの交差点の1〜2ブロック西側です。お薦めは、もちろん、ラーメンを食すのが基本ですが、あとは、高菜チャーハン、これが絶品です。ラーメンの麺に関しては人それぞれ好き嫌いがあり、私も実はスープこそべた褒めながら麺は改良の余地あり、ぜひ、店主と酒でも呑んで、いろいろとアドヴァイスしてあげたい、とさえ思うのですが、高菜チャーハンはもう参りました!の味。LAでこの味はホント涙モノです。それにしても、私のホテルからこの新撰組まで50分少々というのは時間掛かりすぎです。なんでも、LAに住む知人に言わせますと、私が使ったフリーウェイ405は、世界で最も渋滞が酷いフリーウェイに認定されたとか。5車線もあるのにとにかくいつも渋滞。これには中田もホント、イライラさせられました。ここ5年以上、アメリカの景気が悪くなく、ゆえに人々は車を買うお金が出来、それが結局渋滞に繋がる、とは、なんとも皮肉な話しです。
 食後、そのままホテルに戻るのもしゃくなので帰りにサンタ・モニカにあるSecondspin.comに寄り、またまたここでCDを購入。これがまた豊作でした。まず、ずっと探していたのですが、なかなか中古盤が出てこなかったPaul Simon「Still Crazy After All These Years」を$7.99でゲット。今も、これを聴きながらこの日記を書いているのですが、ホント好い曲いっぱい詰まってますね。タイトル曲はもちろん、<My Little Town>も実は生涯忘れ得ぬポップ・チューンのひとつなんです。プロデュースはフィル・ラモーンで、バックはガッド、ティー、サンボーン、ブレッカーを始めとしたNYの名手が大挙参加。悪いわけはないですね。
 その他で嬉しかったのはGrover Washington,Jr.「Strawberry Moon」。これもアナログで持っていながらCDを入手する機会が訪れなかった1枚で、ようやく今晩夢が叶った(ちと大袈裟か..)わけです。で、これがCDで欲しかった理由は、ペイジズが書きアル・ジャロウが歌った名曲<I Will Be Here For You>のカヴァーが収められているからなんです。アルのヴァージョンとほとんど一緒のアレンジで、グローヴァーが心を込めて吹く主旋律はもう涙モノですね(よく泣くな〜、中田利樹<笑>)。スムース・ジャズ系の番組でしっかりオン・エアーさせて頂きます、はい。そして、Kim Watersの新作&旧作が安価で出てきたのも非常にラッキーでした。最新作の「In The Name Of Love」、そして1999年の「One Special Moment」。カヴァー好きの彼ですが、前者ではR.ケリー作の<Step In The Name Of Love>とバリー・ホワイトの<Love's Theme>を、そして後者でもR.ケリー作の<Fortunate>とスウィング・アウト・シスターもカヴァーしたお馴染み<Am I The Same Girl(Soulful Strut)>をそれぞれリメイクしています。それから、これも、いろいろな番組の企画に役立ちそうなコンピを発見。タイトルは「The Sax Album」(Polygram TV)。その名の通り、サックスが効果的に使われているポップ・チューンを集めたものです。日本でも、ピアノが目立つ曲を集めたコンピが人気を呼んでいるそうですが、こちらサックス版は2枚組36曲収録でたったの$7.99。これは美味しいです。収録曲はブライアン・フェリー、ティナ・ターナー、メン・アット・ワーク、ジェイムス・ブラウン、スパンダー・バレー、カーティス・スタイガース、グレン・フライ...etc.ですが、こういったアーティストの名前を字面で見ただけでも曲が聞こえてくるのが凄いですよね、例えば、グレン・フライでサックスが目立つ曲というと<The Heat Is On>ですし、メン・アット・ワークなんかどう考えても<Who Can I Be Now>じゃないですか(笑)。AORでもスムース・ジャズでもないですが、こういうコンピは選曲家にとっては宝物のようです(笑・笑)。
 帰りにビールでも、と思い、スーパーに寄ったのですが、缶ビールよりも断然ビン派の私。6本のケースは多すぎるし..と思っていたら1本だけポツンと置かれていたのがアサヒのスーパー・ドライの大瓶。なんか、私に「呑んで〜!!」と訴えかけているようで直ぐに篭に入れたのですが、いや〜、美味しかったです、無茶苦茶。元来、東京に居る時は麒麟の一番絞り派でして、スーパー・ドライは夏の喉が渇いた昼間くらいしか欲しない性質なのですが、これはウマかった! 見直しました。
 と言うことで今日もCD、ホントよく買いました。さ、明日は最後にして重要な仕事です。おやすみなさい。

<6月21日(月)>
「今日の出来事」
● で、その最後にして重要な仕事のために今日はホントはサン・ディエゴに行く予定だったのです、人に会いに。で、朝、ちゃんと、戴いた電話番号に掛けてみたのですが、どうにも通じない。話し中とかそう言うのではなく、繋がらないんです、何故か。で、諦めるしかない、どうしようかな..と、ブルーになっていたら、全然別の方から電話が。7月25日に緊急発売を予定しているポテト・サラダのドラマー:デイヴさんでした。実は、出発前、デヴィッド・ガーフィールドさんに「LAに行くので、ポテト・サラダのメンバーに会って、インタヴューがしたい」とリクエストを入れておき、LAからガーフィールドさんの家のアンサリング・マシンに私の宿泊先を入れておいたのでした。しましたらちゃんとコール・バックがあった、というわけですが、凄いことです。だって、ガーフィールドさん、ジョージ・ベンソンのツアーに同行していて、いまだにヨーロッパに居るんですから。親切丁寧なフォローに感動です。ポテト・サラダはそんなガーフィールドさんのレーベル:Creatchyから登場した正統派LAフュージョンを受け継ぐ超実力派。カリズマやロス・ロボトミーズのレパートリーをカヴァーしていたという、根っからのCreatchyフリークで、もともとはオレンジ・カウンティで地道に頑張っているローカル・バンドでした。が、折角こういう音楽やるんだったら、デヴィッド・ガーフィールド本人に聴いてもらおう、ということになり、Creatchyのウエブ経由でガーちゃんにメールを打ったとのこと。すると、じゃあジャム・セッションをやろう、ということになり、初めて顔を合わせたその夜、いきなり「うちのレーベルからCDを出さないか!」と言われるほど気に入られた、という典型的なサクセス・ストーリーを歩んだ人たちです。で、面白かったのは、彼らが指定してきた場所。私が滞在しているノース・ハリウッド:ヴァン・ナイズ地区から車で1時間以上掛かるオレンジ・カウンティ:ブレア地区だったのはともかく、なんか、現地に着いてみると、一度来たことがあるのでは....という景色、街並み。そうだ、間違いない! 一昨年、ブライアン・ダンカンに初めて会ったレストランの隣のレストランではないですか、今日、ポテト・サラダと会う場所は! こんな偶然もあるんですね。いや、この地区で、人と話しが出来るコーヒーショップ系はこの一画しかない、ということですね。確かに周りは大自然ですからね。ま、何はともあれ、メンバー4人のうち3人が揃ったのは非常に大きな収穫でした。ライナーもこれならさらっと掛けそうです。当初はインフォが無くてどうしようかな、と思っていたので。ポテト・サラダに関する細かなインフォは、www.potatosaladband.comを覗いてみて下さい。音も2〜3曲聴けるようですし。
 と、実は、彼らに会ったのは夕方の6時で、昼間は気ままに自由行動。アルバート・ハモンドの3枚組、まだ在庫があったと思ったので、Amoeba Musicに行き、それから、他にも1〜2軒、CDショップを覗いて、というパターン。あ、移動中はレンタカーの中でポテト・サラダのCDを繰り返し聴き、夕方のインタヴューに備えた、という感じですね。ま、これで、今回のお勤めは終了。サン・ディエゴに行けなかったのは、非常に心残りですが、総体的にはそれなりの出張だった気がします。

<6月22日(火)〜23日(水)>
「今日の出来事」
● 夕べ、CDのケースを1枚1枚剥いで捨てて、という作業をやっていたのですが、気が付いたらそのまま寝てしまい、危うく寝過ごすところでした。急いで続きをやり、スーツケースにサクッと裸のCDを収納。トータルは200枚に満たない普通の量でした。前回の鐘ちゃんとのツアーでは9泊11日の日程で、500枚弱買いましたから、それからしたら全然普通です。で、ちゃんと時間どおりにレンタカーを返して、普通に空港でチェック・インし....と、すると、なんと、鐘ちゃんがもう一つ手掛けるレーベル:Airmail Recordingsの久世さんが奥さん同伴でLAに来ているではないですか! しかも、予定していた飛行機がオーヴァーブッキングになってしまったので、急遽、私と同じノースウエスト便に変更になったとか。笑っちゃいますね。帰りの11時間は長かった。全然眠れなかったし、CDばかり聴いてました。帰ったら、コロンビアさん用にビル・ラバウンティのベストを選曲しなくてはならないので、改めてCurb時代の3枚を丁寧に聴き返し。そうして、どうにか着いた、という感じです。が、しかし、これから自分の車で東京まで戻らなくてはならない。しかも、都内が大渋滞でもう大変。本当に疲れました。やはりLAからの直行は辛いな....。帰りはハワイに寄ってくるのが一番ですね。次回はぜひそれで。